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「ダイの大冒険」ポップの魅力は成長…作者に愛され最後まで描かれた最高の脇役を語ってみた【ネタバレあり】

      2016/02/27  32,239 views 

ダイの大冒険と言う漫画を御存知でしょうか?集英社の週刊少年ジャンプにて1989~~1996年の間に連載された少年漫画です。

スクウェア・エニックスのゲーム「ドラゴンクエスト」の漫画化だったんですが、この作品の完成度が非常に高く「ドラゴンクエスト」と言う枠を超えて「面白い漫画」として今でもファンの間で定期的に語られる作品でもあります。

僕も子供の頃から読んでいたこの作品が大好きなんですが、一番好きなキャラクターはやはり「ポップ」です。って事でこの「ポップ」と言うキャラクターについて無駄に熱く語ろうと思います。

DRAGON QUEST―ダイの大冒険― 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ダイの大冒険についてネタバレ解説が嫌な人はコチラをどうぞ。

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ポップは最高の脇役である

ジャンプの王道は「努力・友情・勝利」と言う三大原則であると同時に「めちゃくちゃ強い主人公」ってのがあります。

どの作品を見ても主人公は基本的にぶっちぎりの強さを持っており、主人公以外の味方は基本的に主人公に適う事はありません。

キャプテン翼(1981~1988)北斗の拳(1983~1988)ドラゴンボール(1984~1995)等の他の名作を見ても、基本的には主人公がぶっちぎりの強さを誇り仲間は主人公に敵わないキャラクターとして描かれています。

どうしても「成長」と言う要素は主人公にスポットライトが当たり、他の脇役の成長にはあまりスポットライトが当たりません。

だがこのダイの大冒険では主人公と一緒に「成長」するキャラクターとしてポップが描かれています。このポップと言うキャラクターは、そこまで最初は注目されないのですが徐々に注目度合いが上がって行きます。

その手法が非常に上手かった、気がつけば「主人公交代してない?」と思うぐらいポップに注目が集まっていたんです。

雑魚の臆病者からパーティで最も頭脳的なキャラに

ポップの最初の役回りはいわゆる「やられ役」で、敵がどれだけ強くて恐ろしいかを示す役割を担っていました。

強い敵が出てくればポップがビビって逃げたり、真っ先にやられるのがその役割です。

自分より弱い人には強気に、自分より強い人には弱気になるポップはまさに「ポップ(通俗・大衆)」でした。

主人公であるダイより早く、先代の勇者であるアバン先生の下で修行をしていたのにたった数日でぶち抜かれ、それでも下手に「兄弟子」「年上」というプライドが垣間見えたり、それでもぶっちぎりで強くなって行くダイへの憧れや、あまりの強さに尊敬を超えて畏怖にも近い感情を持っている辺り「クラスの中心人物を眺める目立たない自分」とダブって、ついつい重ねてしまう所があります。

ですがポップはそこで留まらず、仲間からの発破もあり徐々に成長していきます。絶対に勝てない敵に立ち向かう勇気を持ち、逆に敵に感銘を与え尊敬されるようになり「自分のような雑魚とダイは違う」と認識しており、ダイのために自ら捨て駒になるような行動を取るようになります。

その根底には「ダイやヒュンケル(強者)と自分(弱者)は違う」と言うコンプレックスが垣間見えます。

ポップの成長段階としてあるのは、「逃げまわる臆病者」→「味方(強者)のために自分(弱者)を犠牲」→「無理してでも皆の力に」→「強力な魔法を手に戦力に」→「知性と経験で皆を導く」に変化していきます。

この底辺から努力し、這い上がる過程が非常に緻密でした。

自分に合った指導者との出会い

ポップは当初、先代の勇者である「アバン先生」に憧れ弟子入りをしていたものの、アバン先生は優しすぎて、甘ったれの根性なしのポップには合いませんでした。

ちょっと厳しい試練を出されると諦めて投げ出すポップに対してアバン先生は強く言う事はなく静観していました。人によってはこの指導法は全く問題ないのですが、根性なしの甘ったれなポップはそこに甘えて成長が止まってしまいます。

ですが旅の途中で出会った大魔導師マトリフ(アバン先生の元仲間)はスパルタでどS、嫌がるポップを無理矢理ひきずり回して修行させるような鬼畜でした。

しかもマトリフがポップを弟子にした理由が「あんな弱そうな魔法使いは初めて見た、俺がなんとかしてやらんと間違いなく死ぬぞ」と言う酷い理由でした(普通は少しでも才能を見出すものだが…)

また修行を開始した時点でマトリフはポップの性格を見抜いており「アバンは優しすぎた、ああいう甘ったれには俺みたいな奴が合っている」と断言しています。

実際マトリフにスパルタをされてからポップが飛躍的に強くなって行きます。

この描写で、地味に「指導者次第で人は変われる」と言う一つの要素が垣間見えます。アバン先生は優秀な指導者だったかも知れませんが「ポップにはたまたま合わなかった」わけで、ポップはマトリフに会わなければ大して強くなれずに終わっていたかも知れなかったのです。

周りの見方の変化

前述したようにポップは当初味方にボロクソ言われます。

「根性なし」「甘ったれ」「仲間を見捨てる最低な奴」「半人前」「アバンの使徒(主人公パーティ)で最弱」と言う立ち位置でした。

単行本にある作者コメントによると、担当編集に「ポップを殺しましょう」と言われたぐらいの可哀想なキャラクターです(作者がポップの重要性を語って止めたそうです)

最終的にはポップは精神的にも大きく成長し、魔王軍(敵側)に「ああいう弱い奴が成長したキャラクターはムードメーカーになるので、真っ先に殺しておきたい奴」と言われ狙われたり(実際その頃になるとポップが仲間を指揮りだしていた)

だがその時はまたポップが未熟で、強い正義感から暴走して自分だけではなく助けに来たダイを巻き込んで瀕死においやると言う失態をやらかします。

「やられ役」のポップらしいエピソードですが、その後はマトリフの「魔法使いは常にクールでいやがれ、皆がカッカしてても後ろで冷静に戦況を見つめろ」と言われた教えを守り、仲間に冷静に指示を出すキャラクターに変貌していきます。気がつけばこの時点でほぼポップがリーダーで司令塔のようになっていきます。

その結果味方からも称賛が目立つようになり、敵側からは戦うと言う意味では最も強いダイ(主人公)を差し置いて「アバンの使徒で最も恐ろしい男」と言われる程の評価を受けて行きます。

最初は「俺がなんとかしてやらんとアイツ死ぬぞ」とまで言っていた師匠のマトリフも、自分の奥義を想像を遥かに超えるスピードで習得したポップを見て「今日ほどお前を大した奴だと思った日はない…」と驚いて語っているシーンがあり、ポップの成長を表しています。

人を褒めるタイプではないマトリフが驚きながら思わず弟子をべた褒めする一言を放ったこのシーンに「ポップの成長具合」の総てが詰まっているとも言えます。

また「成長度だけならダイ以上」とまで言われていました。まさにポップを通じて作者が表現したかった事は、この「成長」だったんだと思います。

脇役としての人生も悪くない

単行本内で誰かもコメントを寄せていましたが、ポップを見ていると「脇役も悪くない」と思わされます。

弱いのに勇気を振り絞って強い奴に立ち向かったり、主人公の助けになるように必死に頑張る姿は「主人公だけが総てじゃない」と教えてくれます。

またこの「勇者が総てじゃない」と言う意味合いは、ポップの師匠であるマトリフが「勇者はなんでも出来る、その反面なんにも出来ねぇのが勇者だ」と語っており「仲間(脇役)」の重要性を表しています。

前述したように当時のジャンプは、ぶっちぎりの強さを誇る主人公が味方を置いてけぼりに頂上決戦をして「なんて凄い戦いなんだ!俺達に出来る事は何もない!」と言わせるのが定番でした。

勿論ダイの大冒険にもそういうシーンはあるんですが、ポップは最後まで成長を続けて最終的には化物のような強さを誇るダイと並ぶ者として「人間では最強」と言う地位にまで昇り詰めます。

ダイは伝説の生物であるエリート、ヒュンケルやマァムは幼い頃から英才教育を受けたエリート、それに引き換えポップはただの武器屋の子どもでアバン先生に押しかけ弟子となった以外は何も長所はないただの落ちこぼれのようなものです。

物語途中ではその事に対するコンプレックスも見せていましたが、それでも「勇気」「努力」「友情」でポップはコンプレックスを乗り越えて強くなって行きます。

単行本を読み返すと最後の方は本当にあまりにもポップにスポットライトが当たりすぎて「主人公交代してませんか?」と言いたくなるぐらいです。

個人的にはダイの大冒険は子供の頃に是非読んで欲しい作品の一つです。ダイやヒュンケル、クロコダインやハドラー等、様々な魅力的なキャラクターが登場しており、何より「脇役が魅力的」な作品なのです。その代表格がポップだと言えるでしょう。

ポップはよくある「主人公と一緒に物語をスタートさせる親友キャラ」ですが、最後まで他の人気キャラクターに蹴落とされる事なく綺麗にここまで書ききったのはあまり例がないと思います。

ドラゴンボールで言えばベジータ、幽遊白書で言えば飛影などの後から登場した魅力的なライバルキャラクターに「親友キャラ」はたいてい食われてしまい、人気投票でも負けてしまうものです。

ポップも実際人気投票では「強いイケメンライバルキャラ」に該当するヒュンケルに負けてますが、作者がしっかりとした意図を持って最後まで「ポップの成長」を書ききった事が非常に素晴らしいと僕は思います。

「ダイの大冒険」は「自分は才能なんてない」「自分は脇役でしか無いと思っている子供にも是非一度読んで欲しい漫画ですね。

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