「スラムダンク」バスケット人気を爆発させた屈指の名作…キャラクターが全員魅力的
2016/02/21
最初なので王道中の王道からどんどん紹介していきます。
僕の中でキングオブスポーツ漫画である「スラムダンク」を今回は紹介したいと思います。これ読まずしてどの漫画を読むんだってレベルの名作中の名作です。
スラムダンクについて知らない人の方が少ないとは思いますが、とりあえず一応ネタバレ無しで何がどう素晴らしかったのか、紹介したいと思います。
ちなみに略称は「スラダン」
もくじ
漫画連載データ
連載時期 | 1990~1996年 |
作者 | 井上雄彦 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
巻数 | 全31巻、完全版全24巻 |
主なあらすじ
不良少年である「桜木花道」を主人公としたバスケットボール漫画。
中学卒業前に女にフラれまくった桜木花道が、高校に入学した際に、バスケットボールが大好きな赤木晴子に一目惚れする。
それまで不良だった桜木がバスケットボール部に入部し、ただの身体能力が高いだけのヤンキーから徐々にスポーツ選手へと変貌していく。
マイナースポーツ故の素人な主人公が魅力的
メジャースポーツの場合、大体のルールを読者が知っている事が多く漫画内でルールを説明する必要がほとんどない。
だがバスケットボールは(当時)マイナースポーツなので、どうしてもルールの説明が必要になる。
それもあってか主人公は「バスケットを全く知らないド素人のヤンキー」となっている。
このド素人ヤンキーである桜木花道が実に魅力的に描かれているのが特徴的だと個人的には思ってます。
一見は明るいだけが長所の馬鹿ヤンキーだが…
桜木花道は一見すると明るいだけが長所で、持ち前の怪力や運動神経でこれまで何とか生きてきただけの、馬鹿で天然なクソヤンキーに見える。
ですが物語が進むにつれて、徐々に桜木花道の純粋な面や、反目しつつもバスケ部のキャプテンである赤木剛憲や、同級生で勝手にライバル視している流川楓への敬意が垣間見えるシーンがある。
心の中では皆をちゃんと認めている事、そして「自分はしょせんはド素人」とわかっていつつも、口では強がって「自分は天才」と言い張っている所が実に可愛い。
正確に言うと桜木花道には天性の身体能力があるので「天才」と呼んで遜色はない能力を持っているが、自分の経験の無さとバスケット歴の短さを気にしてコンプレックスにしている所が実に良い。
このギャップが個人的に凄く好きです。
桜木を通してバスケをわかりやすく魅せてくれた
主人公がド素人なので、主人公がルールを覚えていくと同時に読者もルールを覚えていく事になります。
どのようなプレーが大事なのか、どのようにプレーする事で試合に好影響をもたらすのか、桜木がそれを全部見せてくれます。
バスケットについて何もわからなくても、この漫画を読んでいればバスケットを好きになれるぐらい面白い。
マイナースポーツを題材にした漫画で、主人公をド素人にするのはよくある手法でした。その最たる例な気がします。
実は純粋な性格が魅力
赤木晴子さんへの恋心だったり、不順な動機で始めたバスケットだったのに、気がついたらどハマりしてのめりこんでいたり、純粋な部分が非常に目立ちます。
この桜木の純粋さが目立つエピソードがいくつかありまして、ネタバレになるので伏せますが海南戦やその後の展開は特に好きでした。
僕は主人公を好きになるのはあまり多く無いんですが、桜木花道は大好きな主人公の一人です。
脇役が濃すぎて全員魅力的
敵側に出てくるキャラクターはもちろん、味方側のキャラクターも非常に魅力的でした。
スポーツ漫画の場合は、基本的にスタメンぐらいしかちゃんと描かれませんが、バスケットの場合はスタメンは5人だけなので、人数が少ないんですよね。
だから他のスポーツ漫画に比べてスために害にもスポットライトが当てやすかったのも良かったのかも知れません。
赤木剛憲の人間臭さが良い
バスケット部の赤木剛憲の人間臭さが非常に良い感じになっております。
見た目はまさに「ゴリ」ですが、そのゴリがかっこ良く見えるぐらい、実に魅力的に描かれていました。
また桜木が普段は「ゴリ」に反目していても、徐々に懐いていく様子がよく見て取れるのも微笑ましい。師弟関係ってやつですね。
敵味方のエピソードがどれも良い
あまり詳しく書けないのがちょっと辛いんですが…笑
敵チームとして登場する選手のエピソードも良いものばかりで、敵味方問わずに魅力的なんですよね本当に。
試合中に出て来るエピソードで泣けてしまう事も何度かある…大体その繰り返しな気がします…笑
必殺技は出てこないリアル志向
少年漫画によくある「必殺技」は出てこないので、ある程度のリアル志向のスポーツ漫画だと言えます。
敢えて言うなら「そんなにジャンプは出来ないだろう…」ってツッコミを入れたいぐらいなのと「全員ガタイ良すぎじゃないか?」ってぐらいです(笑)
でも実際に高校バスケの選手の身長を調べると、180cmを超えてる選手がゴロゴロしてたりするので、案外リアルと言って良いのかも知れません。
何にせよ基本的にはリアル志向でトンデモ必殺技は出て来ないタイプの漫画なのは事実です。
別に「トンデモ必殺技が出る漫画はクソ」って言いたいわけではなく、単純に「そういう漫画だよ」ってだけね。必殺技が出てくるのも面白ければそれで良いと僕は思う派なんで。
あくまで普通の技が得意と言うだけ
例えば3Pシュートが得意な選手がいたり、ドリブルが得意な選手がいたり、ポストプレーが得意な選手がいたり、リバウンドが得意な選手がいたり…と言う感じです。
作品を読んでいて「この選手はこれが得意なんだな」と読んでてちゃんとわかるのも素晴らしいと思います。
「身体能力が高いからそれを活かしたプレーが得意」「ボールハンドリングに優れている」「遠距離からのシュートが上手い」などは大体読めばわかる。
そして「このポジションはこういう選手が多いのか」とわかるのもまた面白いと思います。
ルールも大体覚えられる
この漫画を読めば大体バスケットのルールも、ポジションについてもわかってきます。
ただディフェンス戦術などの細かい部分に関してはさすがに総てを理解するのは厳しい所です。
ある程度はわかるとは思いますが、完璧に理解するにはやはり実際の試合を解説付きで見た方が早いと思います。
スクリーンに来た選手をどうやって使ってフリーになるのか、ピック&ロールって何なのか、ダンクはどういう時に使うのか。それらはNBAを見た方が早いんじゃないでしょうか?
NBAを見てから読むとまた面白い
僕がそれを通ったんですが、NBAを何試合かテレビで見て、実際にNBAのゲームも遊ぶようになって、バスケットの流れなどを覚えたんですね。
それからまた読むとプレーについてほんとによく理解出来ているので「ああ、これってこういう事だったのね」と改めて発見する事が出来るんですよ。
バスケット経験者は最初からこれわかってて読んでるんでしょうけど、やった事がない人はわからないので…笑
それらも覚えてから読むとまた面白い漫画だと思います。
リバウンドにスポットライトを当てたのも素晴らしい
どうしても少年漫画とかだと、シュートやアシストに注目しがちです。
だってそこが一番目立つしカッコ良いから
でもこの漫画は違う、主人公が最も得意とするのは「リバウンド」と呼ばれるプレーです。
リバウンドとは、外れたシュートを拾うだけのプレーです。でもそのリバウンドを取れるかどうかで攻撃回数が大きく変わってくる。
バスケットで最も必要なプレーの一つで、最も地味なプレーです。
当然目立ちたがり屋でバカヤンキーな桜木花道も最初はこのリバウンドを「やだよカッコ悪い」と馬鹿にします。
ですがその地味なプレーでチームを勝たせる事が出来る。そして自分がそれに最も適した能力を持っている事に気付いてからは積極的にリバウンドを取りに行くようになっていく。
このリバウンドで試合の勝敗が決まるわけで、そこを上手く描いて「地味なプレーがどれだけ大事か」を教えてくれる。そこも僕がスラムダンクが好きな理由です。
芸術レベルにまで高まる作画
最初は井上雄彦先生の作画はリアル志向で最初から上手いです。でも細かい所を見ると手抜きっぽい所は結構目立ちます。
コミックス版の1巻の表紙はこのようになっています。
ですが話が進むにつれてどんどん絵が上達していき、終盤になると芸術レベルの作画に進化していきます。
最終巻はほとんどセリフがなく、絵だけで魅せてくれる話もありますが、これがまたわかりやすいんだ…。
鬼のように芸術的に作画レベルが上がって行き、最終的には感動するレベルです「バガボンド」などでも絵が上手すぎる事で知られる井上雄彦先生ですが、スラムダンクの時点でその絵は超ハイレベルです。
この絵のレベルの高さだけでも、漫画好きなら読んで損はないレベル。それも構図もわかりやすいし、スピード感も半端ないですからね。
「この作画レベルの高さは紛れもなく県内最強だ…!!」(作品内のセリフのパロディです)
完全版とコミックスの違い
完全版は連載中にカラーだったページはカラーなので、一部カラーで楽しめるのが良い所ですよね。
それと本自体が大きいので読みやすい。それが最大の利点かも知れません。
ただしコミックスで収録されていた、話の間にさくっと入っている遊びのページがないのが最大のデメリットのなります。
例えばあまりにも桜木が活躍してない間は、徐々にミニチュア版桜木が「オイ!」って言いながら小さくされていくようなネタ込みの演出が見れません。
実際にはかっこ良くゴリが「100年早いわ!」と言ってブロックを決めた直後に、次のページを開いたらゴリラ版のゴリが「10000000年早いわ!」と言ってたりとか、そんな可愛いシーンが見れないのは痛すぎます。
ある意味では大事なコンテンツが一つ削られる事になるので、ファンとしてはちょっとここは悩む所です。
本編以外はどうでも良いなら完全版、ネタ要素も欲しいならコミックス版を買うと良いと思います。
そして困った事にスラムダンクってKindle出てないんですね…それが一番痛い気がします…。
ちなみに僕はコミックスしか持ってないです。完全版はデカ過ぎるので…笑
子供に読ませたい漫画ぶっちぎりNo.1
僕の中ではこれは子供には絶対読ませたい漫画の一つです。
桜木がヤンキーだからとか、ちょっと序盤がヤンキー漫画っぽいからとか関係なしに、途中からのスポーツへの打ち込み方は素晴らしいと思います。
どうしても根性論が入ってしまうのは否めませんが、バスケに全く興味を持ってなかった僕が楽しめたぐらいなので…。
小学校高学年ぐらいになったら読ませたいなーって思ってます(笑)僕はこれまたSLAM DUNKと一緒に大きくなった世代なんで…それぐらいの頃には読んでましたからね。
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